S・Pさんの作品
再会 その4(仮)
この小説はえりさんの再開をS.Pさんがリレー小説として引きついた作品です。
二年の刑期を終えて、俺は少年院のゲートの外に出た。
誰も迎えに来るはずもないと思っていた俺の目の前に、漆黒のリムジンが一台止まっていた。
ドアが開くと、両手を広げて懐かしい顔が目に入る。
「よぉう、久しぶりじゃねぇかぁ。お迎えに来てやったぜぃ。」
馬場友治。院にいる間、手紙のやり取りをしていた相手だ。
多少動作がオーバーな奴だが、昔はよくつるんだ仲だった。
今となっては、邪魔な過去の一人でもある。
「久しぶりだな。迎えに来てくれたのか?」
そっけなく答える俺に構う事無く、昔と変わらないオーバーな答えが返ってくる。
「当たり前じゃぁねぇかぁ。これからの事や、手紙に書けなかった事も話したくってよぉ。
お前を待っていたんだよ。まぁ色々と話したいから乗りなよ。」
言われるがままに車に乗り込む。
車は静かに走り出した。
車中、色々なことを話した。
俺が起こした事件の相棒、小野誠(自称アックス。凶暴な奴だったが、何故か馬が合った。)が刑期を終え、
海外に行った事など、院では知りえなかった事を、馬場は聞かれもしないのに、次々と話してくれた。
懐かしの再会も程ほどに、俺は、これからは真面目に生きていく事を馬場に告げた。
程無く目的地に着き、懐かしの旧友に別れを告げる。
別れ際、馬場は一枚のメモを渡してきた。
「何かあったら連絡しろよぅ。何時でも相談に乗るからよぅ。」
メモには、馬場の連絡先が書いてあった。
それを無造作に仕舞うと、振り向きもせずに、手だけを振って、俺は過去へ決別した。