S・Pさんの作品

再会 その8(仮)

この小説はえりさんの再開をS.Pさんがリレー小説として引きついた作品です。



しとしとと、降り注ぐ雨が傘を伝う。
自身が望んでいた過去の出現に混乱する俺。耐えられなくなった俺は、重い口を開く。
「えりさん?」
「木村君?」
間違いなく俺の目の前に立っているのは、昔虐めていた虫2号のえりだった。
「そう。木村。やっぱり覚えていたか・・・。当たり前だよな。
散々虐めていた奴なんて忘れるわけがないか・・・。実は言っておきたかったことがあるんだ。」
「何を、でしょうか?私も木村君に話したかった事があります。」
じっと見つめるえりの視線が、俺を貫く様で痛い。
「場所を変えて話せないかな?」
えりは、黙って頷いた。
 沈黙が支配する中、二人は程近い公園に入って行った。
この雨で誰もいない。雨避けの屋根の付いた自販機のある設備の中の冷たい石のベンチに座る。
俺は、重い沈黙から逃れるように、ジュースを手渡す。
「ありがとうございます。」
えりがそう呟くと、俺は、堰を切った様に喋り出した。
「勝手な言い分かも知れないが、今更許して欲しいなどとは言わない。
だが、聞いて欲しい。
俺は二年間、院の中で過去の過ちを悔いて反省し過ごしてきた。
そして、今も取り返しのつかない事をしたと思っている。
数日前、俺と小野が殺めた筒井氏の家に謝罪に出掛けたが、留守だった。
その帰りに偶然君を見つけた。
その後、何度も訪ねようと思ったが、勇気が無かった。
そして今日、再会する事が出来た。どうか、昔の俺を許して欲しい。」
俺は、今ある感情の全てを、えりにぶつけた。
許される訳が無いと諦めてはいるが、この後のえりが出す答えが怖い・・・。


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