タカさんの作品

班長には逆らえない


<13>

 皆が営業からも戻ってきて、またオフィスの中がザワザワと活気付いてきました。
由香里ちゃんが入社してから、テキパキと仕事をこなしていく速さに、適応能力だけでなく仕事ぶりにも皆は、
感心するように成ってきました。
だが、尚更、あの横柄な態度に皆のプライドは傷付けられ、反発を招くようになりました。
「郁子! ・・・郁子!」
「・・・・」
「郁子何処に行ったか知らない?」、 誰も返事をしません。
「ったく〜。肝心な時に何処に行ったのよ。」と用事を言い付けたくても居ない事への不満を抱きながら今度は
「小夜子!」と叫びました。小夜子さん、無視してます。
「返事は! 小夜子。」ともう一度叫ぶと
「ハイ。」と嫌々(何ナノよ)と思いながら答えると
「今から集金伝票をプリントアウトするから、そこのプリンターに紙を補充してよ。」と言われ、
(この忙しい時に)と思った瞬間「それぐらい自分でしたら。
こっちだって今忙しいのよ。
それに、私、あなたのアシスタントじゃないしね。」
(え〜 小夜子さん、そんな事言っちゃって最悪の雰囲気だよー)
「ふ〜ん、確かに、あなたは私のアシスタントじゃないわよ。 だけどその態度 言い方は何よ!
いーいッ! 私は営業、セールスなの。 そして、あなたはアシスタント。 どっちが偉い分かる?」
「・・・」
「どっちが上なのよ? ・・・ 早く言ってごらん!」と黙っている小夜子を怒鳴りつけました。
分かっていても中々プライドが邪魔してスンナリ言えない小夜子さん。
か細い声で「由香里さんです。」と答えました。
「キ.コ.エ.ナ.イ」
「由香里さんです。」と大きな声で答えると
「そんな時は、“中川さんです”って名字で言うの。
年上かどうか知らないけれど、組織の中じゃそんな事全く関係ないのよ! アナタはアシスタント。
分かった!」と言い終わると私の方を見て
「正木さん」と穏やかに名字で呼んできました。
私は一寸気味悪く(どうしたのよ〜。何ナノよ?)
と思っていると「今朝の郁子の事といい、今といい、あなたの教育がしっかりしていないからじゃないの?
チャンと出来ないんだったら今度はあなたが教育される番よ。分かった、美佳。」
「すみませんでした。 これからもう少しチャンとするようにしますから、・・・。 ゴメンナサイ」
と由香里さんに謝ると小夜子さんの方を向いて「あなたも謝りなさい。」
と促した。

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