山女さんの作品


虐め小説『あの子』第三回 


 私はお喋りな友人からそこまで聞いて、思わず、
「もう止めて」
 と遮ってしまいました。と言っても、あの子に同情したからではありません。
はっきり言って、羨ましかったのです。私もそれほどの虐めを受けてみたい、と。
 もちろん本当に虐められたならイヤに決まっています。
絶対に耐えられないでしょう。クラスのみんなにヘアを抜かれ、
それでもしゃがみ込むことさえ出来ず、ただ泣きながら耐えるなんて、
私に出来るはずがありません。
それに……私が虐めてもらえるほど可愛くないこともわかっていました。
 虐めグループの連中にしたって、あの子が息をのむほど可愛くて、
それでプライドも高そうだからあれほどの虐めを加えたのだと思います。
いったい世の中に、私のような女の子が新聞紙の上にしゃがみ込むところを
見たい人がいるでしょうか。
 ずっと後になって、クラスで、あのときの写真を見ましたが、巧妙に顔処理された
デジカメ映像でもあの子の美しさは隠しようがなく、自分の出した汚物を手に
持たされて泣いている様子はあまりにも哀れで、そして、羨ましかったものでした。
私が同じようにしたとして、いったい誰が、こんな写真を買うでしょう。
ネットで飛ぶように売れたというその写真を見ながら、私は密かな嫉妬にふるえた
のでした。
 あの子が学校に復帰すると、私も虐めグループに加わることにしたのです。
 もちろん、こっそりと。
 私は夜、パソコンに向かい、虐めグループになったつもりであの子に徹底的な虐めを
加え、そしてプリントして虐めグループのリーダーの下駄箱に入れたのでした(続く?)

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