虐め小説『あの子』第四回
虐しばらくして、また例のお喋り、
「みんなでババ抜きするんだけど、罰ゲームがあってね、勝った人は誰でもすきな人
の、あそこの毛を抜く権利があるんだって。
もちろん、あの子に絶対勝たせないようにしてるんだけど、駄目だとわかってても
真剣なんだって、あの子。指名されると本当に真っ青になって、もう慣れてるくせに、
泣きながらパンツを脱ぐらしいの。
でもね、あの子、毛なんてほとんど残ってないじゃない、昨日なんか、四つんばいに
させられて、毛抜きで、お尻の回りの毛を……」
「ちょっと、もう止めて」
お喋りは、どうしてこんな愉しい話題を避けるの、みたいな怪訝な表情をして、
また別の話題に移りました。
ああ、と、次の授業中、私は、自分の考えた虐めを受けているあの子の様子を想像
して半分くらい気を失っていました。
そしてその次の授業中、古いプリントの文字を切り張りして、
「ワザと勝たせ 脅す 鏡を使って自分でぬかせる」
という手紙を作ったのでした。ただ、その通りの虐めが加えられたのかは
わかりません。(続く?)
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