山女さんの作品


連載小説『MOMO' Passion』第十回 

美香には申し訳ないとは思った。
 私だって、女とキスするなんて、イヤだ。
ましてやいくら美少女でも、あの奥まった部分にキスなんて出来ない。
 逆さづりにされた恐怖と羞恥で、何も考えることの出来なくなった私と千里は、
聡美に言われるがまま、美香の体に取り憑いた。
 私が下半身担当だと言われ、まだ淡い草むらに顔を埋めた。
 イヤ、イヤ、イヤ……と断続的に続いていた美香の声がとぎれた。
きっと上半身担当の千里がキスしたのだろう。
 逃れようにもベッドに大の字で縛られてはどうしようもない。
可哀想に美香は、私の唇と舌に脚を強ばらせながら堪えているのだった。
 そして突然、後ろから裸の胸が押しつけられた。
 秋子が裸になり、私に抱きついてきていたのだ。
「ギャッ」と私は飛び退き、ベッドの下に身を隠そうとした。
 秋子の「ズベ」顔がみるみる潰れ、二目と見られない醜さに変化した。
「そんなに私がイヤなのかよぉ!」
「あ〜あ、キーコを怒らせた。今日はもう終わりだな」
 聡美は静かに言った。残りのキーコ以外の連中は笑いながら帰り支度をはじめ、
美香の拘束も外された。その間、私だけが、キーコに髪を掴まれ、
トイレに連れて行かれ、便座の中にクビを突っ込まれそうになっていたのだ。
「おい、キーコ、殺すなよ、ほどほどにな」
 そう言って聡美たちは出て行った。
「おい、オバサン、そんなに私がイヤか?」
 返事が出来ない。
「イヤなのかよぉ!」
 逆上したキーコは水を流した。溢れてくる水に顔がつかり、息が出来ない。
引くまでにかなりの量の水を飲まされた。
「イヤなのか?」
「イヤじゃない!」
「本当か?」
「本当よ、だから許して」
「私と寝るか」
 返事が出来ない。
 今度は静かに水が流された。
――殺される。このままだと本当に殺される――
「アナタと寝ます、寝ますから」
 頭を掴まれていた手が外された。
「シャワー浴びてこいよ。髪もしっかり洗ってな」
 これまでの人生26年で、最悪の数時間の幕開きだった。(続く)
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