連載小説『MOMO' Passion』第十一回
主人がテレビを見ているまに風呂に駆け込み、着ているものすべてをビニール袋に
入れた。捨てるつもりだった。そしてシャワーを浴び、キーコの舌と指が
這いまわったところすべてを、つまり全身を洗い流した。
強姦。
された。
そんな気分だった。
「舐めろよ、もっとしっかり!」
あのかすれた声、嫌らしい目。
腐ったような臭い、そして何とも言えぬ味。
それよりイヤなのは、口だ。これをキスとは言いたくない。
逃げても逃げても追い掛けてくるしつこい口。
何度も戻しそうになった。けれどこのバカ女はキレると何をするかわからない。
乱暴に指を入れられたあそこからはかなりの血が流れ、それを悦んで舐めるような女。
しかも足の付け根には注射の痕が無数にあった。
私は風呂で泣き崩れた。
確かに虐められたいとは願ったが、今日のは度を超していた。
足首にはしっかりと内出血の痕が残っている。
千里には悪いが、私は降りる。
翌日の夕方、美香が迎えに来るまで、私は本気で降りられるつもりでいた。(続く)
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