連載小説『MOMO' Passion』第十三回
確かに2時間で充分だった。
連中がゲーセンに繰り出すまでの暇つぶしの余興に呼び出されただけ。
私たちは裸にされ、体の最も敏感な箇所にガムテープを貼られた。
「よーい、ドン」
で、自分で剥がす競争だ。
しゃがみ込んで脚を開き、慎重に慎重に剥がす。
それでもヘアがゴソッと抜け、もの凄く痛い!
周辺でこれだけ痛いのなら、いちばん敏感な箇所など、どれほど痛いか!
美香も、千里も、もう泣き出している。私も涙が流れてきた。
けれど苦痛に少しでも手を休めると連中の罵声が飛ぶ。
連中は私たちの順位にゲーセンで遊ぶ金を賭けているのだ。
しかも私たちも必死だった。
いちばん最後になったものが、一人残ってキーコの相手をさせられることになっている
のだった。
唾液をつけると少し楽になるのを美香が発見した。
私も千里も真似をした。
口から股へ、股から口へと手を動かす私たちの格好があまりにも可笑しいのだろう、
6人とも大笑いに笑い続けた。私たちは泣きながら、
口がカラカラになるまで剥がし続けた。
一時間ほどかけて、最初に剥がしたのは私だった。次が美香。
美香を狙っていたキーコはキレ、
「このドン亀がぁ!」
と千里を蹴り倒し、逆向きの馬乗りになると、千里の股に貼られたガムテープを
一気に剥がした。
叫び声もあがらなかった。千里の手足はどたりと床に落ち、そのままぐったりと
なった。あまりの激痛に千里は失神してしまっていたのだった。
「おいおい、殺すなよ」
と聡美がニタッと笑った。ミチと瓜二つな笑顔に私は心底ゾッとした。(続く)
http://munchmunch.tripod.co.jp/