山女さんの作品


連載小説『MOMO' Passion』第二回 


 地獄のような日々が、どうしてこれほど甘美に思えるのだろう。
 あの日、高校の休み時間、教室で目隠しされ、ただ素肌にあたる金属の冷たさだけ
を感じていた。
手の甲、首筋、そして頬を冷たい感触は動き、ついに制服の下の胸にまで至った。
そして、信じられないほどの激痛が走ったのだった。
椅子にかけたまま後ろ手をリボンで縛られ、ガムテープで猿ぐつわされた私は、
それでも叫ぶことさえ出来ず、体を思い切りよじらせるだけだった。
 クラス全体が爆笑しているのがわかった。
 誰も、私のことを哀れんではくれない。
 私の苦痛が、みんなの快楽なのだ。
 打ち込まれたホチキスの針は、体をよじると、とてもあの細さとは思えぬ激痛を
私の胸にもたらしてきた。
あの形状は最小限の傷で最大限の激痛を与える最高のものなのかもしれない。
しかもその針をうち込む場所を求め、左から右へ、冷たい金属はゆっくりと動いているのだった。
 とても耐えられそうになかった。
 そう思った瞬間、右胸の乳首の近くに打ち込まれた。
 全部の神経を焼かれたような激痛が、それも全身に向かって走った。
――痛い! 死ぬほど痛い!――
 私は椅子から倒れ込み、なんとかして逃げようと思った。
「ほらほら、早く漏らせよ、そうしたらやめてやるよ。後何本欲しいんだ?」
 このミチという女が首謀者だった。男子が帰ってくるまでに私にお漏らしをさせ、
さらし者にしようとしているのだった。
「ほらほら!」
 とさらに金属の冷たさが移動したとき、私はもう観念した。
男子たちの前でどんな醜態を晒そうと、この激痛には耐えられない。
 ……
 目隠しも猿ぐつわも、リボンもほどかれた私の足元には、信じられないほどの
羞恥の水たまりが出来ていた。女子は皆、自分の席について知らぬふりをしていた。
 近づいてくる男子たちの声が、廊下から聞こえてきた……

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