山女さんの作品


連載小説『MOMO' Passion』第六回 

思えばミチは立派ないじめっ子だった。
あの虐めには殺気が溢れ、そして、こういう言い方はヘンだが、「愛」があった。
つまりミチは私に異常なほどの関心を持っていてくれた。
私の心を読みながら、一歩先、一歩先へと虐めをエスカレートさせていくあの手腕は
見事だと言っていい。
 たとえば、裸で四つんばいにさせられた私の目の前でサイコロが振られる。
出た目の本数だけ、イチジク浣腸されると決まっているのだ。
 そしてまたサイコロが振られる。どれだけの間隔をあけて浣腸されるか、
2なら2分、6なら6分と決めるのである。
 1と1ならそれほど苦しまなくてすむ。
ただ絶望的な屈辱と羞恥があるだけで。
 6と6など、まず堪えきれるはずがない。
哀願の果てに、醜態を晒さなければならない。
 そしてこの虐めの眼目は、本数と時間の約束がミチの気分によって簡単に
破られてしまうことにあった。
 つまり、出た目が3と2で、目の前に置かれた時計が最初の1本から2分を
指したのに、つぎの浣腸が来ない。どうしたのかと顔を上げると、
「お前、もう欲しいのかよ」
「だって……」
「みんな? さっきの目は3と4だったよな?」
「そんな……」
 残り2分を耐え抜く。もう堪え切れぬ目をしてミチを見上げる。
「おい、6と6だったろ? 忘れたのかよ。
それとも早く浣腸すませて欲しいのか?」
「早く、早くすませてください」
「もっと大きい声で言えよ」
「早くすませてください」
「何を?」
「か、かんちょうを」
「浣腸を、どこに、どうするんだよ」
「私のお尻に入れてください」
「おい、みんな、どうする?」
「お願いします、もう堪えられないんです」
 と、本当は出させてください、と哀願したいのに、次の浣腸を早く、
とおねだりしなくてはならないこの屈辱。
「だったら、ケツを振って誘ってみろよ、その気になるようによ」
 そしてミチの寛大な処置として許される、時間内の浣腸。
冷たい薬液の感触。
 しかも、さんざん焦らされ、土下座して涙が涸れるまで哀願させられ、
そこにいた6人すべての足の親指を舐め、自尊心も羞恥心もすべてを
粉々に打ち砕いて許された破局なのに、
「いっぺんに出すなよ、少しづつ、すこしづつだぞ。
人に見せるモンだってことを忘れるなよ」
 私のこの虐めの一部始終はビデオに撮られて専門の業者に売られるのだった。
 ビデオ業者の入れ知恵ももちろん有っただろうとは思う。
けれどほとんどはミチの私に対する異常な「愛」だったのだろうと今になって思う。
 私など、サエラに一本入れただけで指が気持ち悪くてたまらなかったのに。(続く)

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