山女さんの作品


連載小説『MOMO' Passion』第七回 

その夜、ベッドにはいると、私は主人にむしゃぶりつき、カレの「男」を、
口で、徹底的に愛した。
そしてわかった。
「私の欲しかったのは、これだ」と。
 屹立するそれは私を貫き、たくましい腕は私の体を翻弄した。
快楽がやってきた。体の奥から熱くなる快楽が。
その波に身を任せていると、全身に、女であることの幸せが押し寄せてくるのだった。
 いつものように3回、イかしてもらい、カレのフィニッシュは口に受けとめた。
 最初の奔流を喉に流し込み、あとは舌ですくい取りながら、さっきの剛棒が可愛く
化けるまで愛おしみつつ、口の中で愛してあげた。
 いつもならこれで安眠できるはずなのに。
――主人とは違う相手とラブホへ行った。
 これは浮気じゃないのか?
 女同士なら浮気じゃないのか?
 私はいったい、なんと言うことをしてしまったのか。
女の子とラブホへ行き、その子を裸にして、肛門にイチジク浣腸を差し込んだ。
嫌悪しか感じなかったとはいえ、やったことはやったことだ。
 しかもその夜にこうやって主人と交わる。
そして感じてしまう。
 自分という女の正体を見てしまったようで、恐ろしさに眠ることが出来なかった。
 主人が寝息を立て始めたのを見届けると、私はひとり起きていって、
まだハンドバックに入ったままのホチキスを取り出すと、さっきまで主人が愛撫して
いた胸にそっと当てた。
 ためらいもなく打ち込んだ。
 あの日と同じ、焼けるような激痛が襲ってきた。
 舐めるようにその激痛を味わい、針を引き抜くと、二つの赤い点が、私の愚かさを
笑う目に見えた。
 もう、ミチはいないのだ。
私のPassoinは彷徨い続ける他はないのだ、と。(続く)

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