山女さんの作品


黄金の月日(第一回)

転校生虐めなんか珍しくないんだろうけど、連中の場合、度を超してた。
 私が連中に従わないってことがわかってきたら、まずシカト、次は鞄を隠したり、
教科書に落書きしたり。
もちろん先生に相談した。
先生は型通りみんなに注意して、また何かあったら言ってきなさいって。
 私、これじゃラチがあかないって思ったのね。
だから、昼休みに体育資材室に呼び出されたのはむしろチャンスだと思ったわけ。
きちんと話をつけてやるって。
 でも、話し合いのつくような連中じゃなかった。
 私が資材室に入って行くなり、8人がかりでマットの上に押さえつけられた。
口にはガムテープが貼られ、手足を押さえつけられ、
脇の下や足の裏を猛烈にくすぐられた。
 これは体験したものにしかわからないと思う。
 笑いなんてものじゃないの。
 単に神経が反応して引きつってるだけ。
 これを5分もやられると、あんまりにも苦しくて、意識が遠くなってくるの。
許しを請おうにも口はガムテープでふさがれてるし、もうホントに死にそうになって、
死ぬかなと思い始めた頃、連中が私から離れた。
 何が起こったのかわからなかったの。
 自分では止めようのない奔流がお尻を湿し始めるまで。
「おい、だれか、こいつのジャージ、持ってきてやれよ」
 メグミが言うのが聞こえた。
 私は、パシリの女の子が戻ってくる間、横になったまま息を整えながら、
連中のくすくす笑いや、「お漏らしなんて初めてよね、ここトイレじゃないよ」
なんていう言葉に堪えながら泣いていた。
本当に悔しかった。
「ほら、お前のジャージ、持ってきてやったよ」
 そう言って差し出されたジャージを受け取る他はなく、でも、着替えようにも、
連中は私のそばを離れないの。にやにや笑いながら。
「見ててやるから、ここで着替えろよ」
 連中はメグミの一言にドッと笑った。
 私は口のガムテープをやっと剥がしたものの、動けない。
 こんな連中の前でスカートを脱ぐなんて。
「いらないのかよ、ジャージ!」
 メグミはそう言うと、私からジャージを奪い取ろうとした。
「いります! 取らないで」
 私はなぜか敬語を使っていた。
「じゃあ、ほら、着替えろよ。スカートとパンツ、脱げよ」
 私は頭を振った。これ以上の屈辱には耐えられない。
きっと気が狂う。
 そのとき、ちょうど昼休みの終了を告げるベルが鳴った。
「今日はこれで許してやるよ」
 そういってメグミたちは去り、私はひとり、スカートと、ベットリとお尻に
貼りついたパンツを脱いだ。
恥ずかしさと悔しさで、もう一度泣きながら。
 その日は早退した。
 そして次の朝、黒板にはイラスト入りで、「おもらしケイコ」と、書かれていた。
 地獄の日々が始まったのだった。

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