山女さんの作品


黄金の月日(第二回)


 放課後、三年生の一団がドドッと教室に入ってきて、私の名を呼んだ。
手を挙げると、
「あんた、昨日、メグミたちにリンチされたんだって?」
 私は恥ずかしさに消え入るようになりながら、小さくうなづいた。
「ちょっと来てよ。別に怖くないから」
 そういって連れて行かれたのは、昨日と同じ体育資材室だった。
 私は目を疑った。
 こんなことが現実にあるはずがないと思った。
 私を昨日リンチした連中がみな正座させられて泣いており、そしてメグミは……
「被害者を連れてきたぞ」
 そういう3年生に竹刀で小突かれながら、必死でつま先立ちしていた。
 泣くことも出来ないようだった。
「神聖なマットの上で、リンチだと?」
 3年生はメグミの裸のお尻を竹刀で小突いた。
 メグミの顔が歪み、声にならない声が漏れた。
「それでお漏らしして、汚しました? あ?」
 今度は前から、草むらのあたりを小突いた。
「おい、あんたが被害者だよな」
 3年生は私の方を見て言った。
「間違いなく、こいつにリンチされたんだよな」
「…はい…」
 3年生は私にはかまわず、
「体操部の神聖なマットをどうしてくれるんだよ」
 そう言って3年の一人はメグミを平手で打った。
 よろけながらもメグミは辛うじてつま先立ちを続けていた。
 メグミの裸の股間にはモップが立てられ、つま先立ちをやめてしまえば、
その柄が突き刺さるようになっているのだった。
「ほらほら、いいかげん、処女を捧げろよ。モップに」
 3年生たちはゲラゲラと笑い、竹刀で激しくメグミのお尻を叩いた。
 見れば、メグミのお尻はみみず腫れどころではない血の筋が幾重にも重なって、
悲惨な様子だった。
竹刀も、わざと先の革を外してバラバラの鞭のようにしているのだった。
 メグミは、バン、バン、バン、と3連続ブッ叩かれて、少し歩んだように見えた。
それでもまだモップの柄が突き刺さるまでにはいかないようだった。
「このくらいにしといてやるか」
 3年生は言い、レモンサイダーのプルタブをプシュッと抜くと、
「消毒してやるよ」
 そのまま腫れ上がったお尻にぶっかけたのだった。
メグミは一瞬飛び上がるようにして、そしてモップの柄に自分の体重を預けてしまった。
モップの柄がメグミを貫くのがよくわかった。
メグミはお尻の痛みか、それとも処女の断末魔かに声を上げて、立ったまま泣き始めた。
「どうだい? 処女を捧げた気分は?」
 メグミは黙っている。顔をゆがめて苦痛や屈辱のすべてに堪えているのだろう。
「何とか言ったら? 気持ちいいの?」
 まだメグミは黙っている。
「おい誰か、気持ちよくしてやれよ」
 3年生の一人がしゃがんでそのモップを手に取り、軽く小突きながら、
「ほら、このまま四つんばいになるんだよ」
 逆らう気力もなくしたのか、メグミは言われたとおり、そろそろと
四つんばいになった。血のにじむお尻がもの凄く哀れだった。
モップを持った3年は引き抜くと見せて、またいきなり突っ込んだ。
グヴァ!
何とも言えぬ音がして、3年は一瞬沈黙し、次の瞬間にはみんなで爆笑した。
そしてまた柄を出し入れしはじめた。
ガバッ、ガバッ 
モップの柄を出し入れされるごとの音に、3年はみんなで笑い転げ、そして私たちは
凍りついた。
「おいお前、処女じゃなかったろ。血も出ないし、こんなにユルユルなんて。
 え、処女か? 処女かどうかって聞いてるだろ?」
 ガバッ、ガバッ
「…処女です…」
 ガバッ、ガバッ
「嘘つけよ、こんなにユルい処女がいるかよ」
 ガバッ、ガバッ
「…処女です…」
 ガバッ、ガバッ
「え? 処女だったら、なんでこんなにユルいんだよ」
 ガバッ、ガバッ
それからもずっと、モップを持つ手が変わるごとにねちっこく執拗に続く責めに、
ついにメグミはブチキレ、ギャーッと叫んで立ち上がるなり、両手をめちゃくちゃに
振りながら、下半身裸のままそこらを走り回った。
そして3年が一瞬ひるんだすきに、ドアを開け、体育館の方に逃げていった。
教室までの廊下にはサイダーの混じった血の痕が足跡になって転々と落ちていた。
これは私どころじゃない大スキャンダルになり、3年の二人が退学、
6人が停学になった。
 そして発端を作ったのが私だと言うことで、私は、メグミだけではなく、
3年生の恨みまで、買ってしまうことになったのだった。

http://munchmunch.tripod.co.jp/

メニューへ 妄想小説へ 次へ進む

動画 アダルト動画 ライブチャット