山女さんの作品


イジメ・ロワイヤル第一回


 20XX年、イジメ対策に手を焼く文部科学省はある秘策を打ち出しました。
 イジメを公認するのです。
 しかし誰をいじめてもいいというのではありません。
学期ごとに定められたイケニエだけを、集中的に、徹底的に、いじめることを
許可するのです。
このイケニエは容姿端麗、頭脳明晰な女の子からランダムに選ばれ、本人の縁故者の
一切いない学校へと送り込まれます。
そして一学期間、イケニエとしていじめに耐え抜けば、進学や将来の就職などへの
便宜は永遠にはかられることになっており、だから本人は必死で耐え抜こうとするし、
逆に回りの子は妬みや嫉妬もあって、徹底的にいじめ抜こうとするのです。
 誰がイケニエかはすぐにわかります。
 イケニエは色の違う制服を着せられており、姿で一目瞭然なのです。
もちろん学校から出ることは出来ません。
一学期間、職員室の前の檻に寝泊まりするのです。
 トイレは自由に使えますが、ただし、ドアを閉めることは禁止されています。
 一般生徒がイケニエに手を触れることは原則として出来ません。
ただし、そのほかのいじめは全て許されており、特に週一回開かれる全校集会は
みんなが楽しみにしているイベントです。
 そこでイケニエは、みんなの前に立たされ、みんなから、前の一週間の
生活態度について指摘を受けるのです。
「挨拶の声が小さかった」
 から、
「トイレが臭かった」
 まで、徹底的に指弾されます。
 指弾されても、もしそれが間違っていれば、イケニエには反論の自由があります。
聡明な子が選ばれていますから、もちろん、反論は明晰で、論理的なものになり、
それが逆に一般生徒の反感を呼び、指弾は熾烈なものになるのです。
そして、決着は、みんなの投票で決められます。
イケニエの生活態度で、悪かった点を数え上げ、その回数だけ、専用の鞭で打たれる
「おしおき」か、あるいは全裸で一日晒される「さらし」を選ぶかがイケニエ自身に
よって決められます。
 この「おしおき」に使われる鞭は文部科学省が体罰のために開発したもので、
特殊素材で出来ており、皮膚や筋肉、そして骨などには一切傷を負わせない代わり、
素材の固有振動が神経を直撃して、一撃で信じられないほどの激痛を感じさせる
ことが出来るのです。
普段は教師が生徒の手のひらを打つことしか許されていませんが、
「おしおき」では、跳び箱を斜めにしたような鞭打ち台に拘束した
イケニエの太股の裏が、この鞭を持った生徒たちによって、ゆっくりと
数えながら打たれるのです。
 イケニエの罪業はたいてい百を越えるのですが、そんな回数、絶対にイケニエは
耐え抜くことは出来ません。
全国記録では12回の鞭打ちに堪えたというのがありますが、この時には、
イケニエはもう三回目で失禁し、五回目で脱糞し、何度も気絶したのを、
アンモニアを嗅がせて起こしながら打ち続けたというものです。
もちろん、13回を堪えることは出来ず、泣き叫びながら、「さらし」への転向を
乞い、許されたということです。
「さらし」は男子にとっては最高のプレゼントです。
 決められた場所に、国から支給された「さらし」用の薄い下着だけを着て
立っていなければなりません。
もちろん、動くことは厳禁です。
 トイレも、決められた時間にしか行くことは出来ません。
 誰でも最初は「さらし」を避けようと、「おしおき」を選ぶのですが、
どうしても堪えきれず、やっぱりさらされてしまうのでした。
 思えば牧歌的な時代でした。
 この程度の公認イジメで、いじめ問題が解決したように見えたのですから。
(読者の妄想メールを膨らませてみました。続き読みたいですか?) 


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