sinさんの作品
えり断章11
この小説はえりさんのえり断章7をからsinさんがリレー小説として書かれた作品です
「それではみなさま〜!本日はホントーにお疲れさまでした〜!今回のイベントが成功したことを祝して、
カンパ〜〜〜イ!!!」
壇上で河本君が音頭をとって打ち上げが始まった。
現場からの撤収の後、居酒屋でスポンサー等との反省会をすませ、今は旧サークル棟に戻っての、
メンバーのみが集まっている。
今日の仕切りはうまくいったと思う。
姉ヶ崎奈美枝は満足気に笑っていた。
みんなやるべきことをやり、緊張感も失わず、見事に最後までやりきった。
「やっぱり『虫』がいると男子の張りきりが違うわね」とつぶやいた。
20人近いメンバーは、奈美枝を入れて4人の女子以外、すべて男子だ。
当然主力である男の子たちの働きが、サークル全体を左右する。
いや、男子と女子以外に一人だけ例外がある。
それが、今部屋の大勢のメンバーの間を、飲み物やおつまみをトレイに
載せてうろちょろと歩き回っている金田えりだ。
彼女が着ているのは服というより、水着に近い。
ワンピースの布地を省けるだけ省いた露出度の高い衣装を着て、
酔っ払った男子に近づけば当然のように胸やお尻を触られる。
それどころか、ビールを取る振りをしておっぱいをもんだり、ふざけてスカートをまくったりされる。
もちろん、『虫』は騒いだりしない。
奈美枝の手にある写真がそれをさせない。
今はこんなものですんでいるが、これからもっともっと恥ずかしいことをしなければならない事を、
虫こと金田えりはわかっているだろう。